日本におけるIB教育
これまで、我が国では、以下の取組等を実施してきています。
- 昭和54年より、大学入学資格に関し、学校教育法に基づき、国際バカロレア資格を有する者を、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者として指定。
昭和23年文部省告示第47号(学校教育法施行規則第150条第4号に規定する大学入学に関し高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者)(抜粋) - 平成25年度からは、国際バカロレア機構との協力の下、ディプロマプログラムの科目の一部※を日本語でも実施可能とする「日本語DP」の開発・導入を推進。一部の認定校で平成27年4月から日本語DP課程を実施。
※日本語で実施可能となる科目等は、以下のとおり。
経済、地理、歴史、生物、化学、物理、数学、数学スタディーズ、音楽、美術、知の理論(TOK)、課題論文(EE)、創造性・活動・奉仕(CAS)
(ただし、日本語DPでも、6科目中2科目(通常、グループ2(外国語)に加えて更に1科目)は、英語等で履修する必要。)
日本語で実施できる科目等について、日本語に翻訳した科目ガイド等を以下リンク先から閲覧可能です。(翻訳している最中の科目ガイド等もあるため、翻訳対象文書の全てが掲載されているものではありません。未掲載の文書については、翻訳が終わり次第、順次掲載予定です。)
国際バカロレア機構日本語ページ - 平成25年5月、東京学芸大学を中心に、関心を有する高等学校等により、国際バカロレアの導入に向けた情報共有等のため「国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ連絡協議」が設立。
- 国際バカロレア日本アドバイザリー委員会において、日本における国際バカロレアの導入拡大に向けた課題と対応方策について検討を行い、平成26年4月、そのための提言(報告書)を取りまとめ。
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また、国際バカロレアの導入拡大に向けて、以下の取組等が進められています。
- 国内の大学入試におけるIBの活用促進
文部科学省として、入学者選抜における国際バカロレア資格及びそのスコアの積極的な活用について、大学に対する働き掛けを実施。
現在の大学における導入状況は研究・調査のページを参照。 - 国際バカロレアに対応可能な教員の養成・確保
– 日本語によるIB教員養成ワークショップ等の国内における積極的な開催
– 外国人指導者等に対する特別免許状の授与促進
平成26年6月、外国人指導者をはじめとする優れた知識経験等を有する社会人に対する特別免許状の円滑な授与を促進する観点から、文部科学省において「特別免許状の授与に係る教育職員検定等に関する指針」を策定し、各都道府県委員会に通知。
-大学におけるIB教員養成課程の設置 - 国際バカロレアの導入を促進するための教育課程の特例措置
平成27年8月に学校教育法施行規則の一部が改正され、DP認定校については、国際バカロレアと学習指導要領の双方を無理なく履修できるよう、以下のように教育課程の基準の特例が認められることとなりました(文部科学省告示第百二十七号)。
◇ 国際バカロレアの導入を促進するための教育課程の特例措置(平成27年8月19日) - IBに関する情報提供・発信
- 国際バカロレア認定のための手引きの作成
教育委員会や学校が、国際バカロレアの導入を考えるにあたり、必要とされる情報を日本語で分かりやすくまとめた資料を作成
◇ 国際バカロレア認定のための手引き(ディプロマ・プログラム編)(はじめに~第4章)2019_03更新版
◇ 国際バカロレア認定のための手引き(ディプロマ・プログラム編)(第5章~巻末資料)2019_03更新版
◇ 国際バカロレア認定のための手引き(ミドル・イヤーズ・プログラム編)(第1章~第6章)
◇ 国際バカロレア認定のための手引き(ミドル・イヤーズ・プログラム編)(第7章~巻末資料)
- 国内の大学入試におけるIBの活用促進
国際バカロレアの推進に関する提言等
(1)国際バカロレアの普及促進に向けた検討に係る有識者会議
IB認定校等を200校以上にするという政府目標が、令和4年度に最終年度を迎えるため、現在の社会情勢の変化や、今後を見据えた中長期的な視点を踏まえ、今後のIBの普及促進の在り方について検討する必要がありました。令和4年10月から、「国際バカロレアの普及促進に向けた検討に係る有識者会議」を実施し、その取りまとめを令和5年3月に発表しました。
取りまとめ(令和5年3月)
国際バカロレアの普及促進に向けた検討に係る有識者会議取りまとめ
国際バカロレアの普及促進に向けた検討に係る有識者会議取りまとめの概要
参考資料集
過去の有識者会議
国際バカロレアを中心としたグローバル人材育成を考える有識者会議
国際バカロレア日本アドバイザリー委員会
(2) 教育振興基本計画
「グローバル化に対応した素養・能力を育み、国際的に通用する大学入学資格を取得できる国際バカロレアについて、教育効果や好事例の波及を通じて、高校での導入に係る支援、及び国内外の優れた人材や多様性の確保のための大学における活用促進等に戦略的に取り組む。」
過去の計画
第3期教育振興基本計画(対象期間:平成30(2018)年度~令和4(2022)年度)
第2期教育振興基本計画(対象期間:平成25年度~平成29年度)
次期教育振興基本計画について (答申) 令和5年3月8日 中央教育審議会
(3)新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画
新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版(令和5年6月16日閣議決定)
「エコシステム拠点を始めとする有能な外国人材が集まる地域において、その子弟に対する質の高い教育機会が十分に提供されるよう、国際バカロレアなど世界標準の教育カリキュラムの導入を推進する。」
その他過去の閣議決定文書
デジタル田園都市国家構想 基本方針 (令和4年6月7日 閣議決定)
成長戦略2021 令和3年6月18日 閣議決定
未来投資戦略2018 ―「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革― 平成30年6月15日 閣議決定
「日本再興戦略 -JAPAN is BACK-」(平成25年6月14日 閣議決定)
新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 (令和4年6月7日 閣議決定)
(4)教育未来創造会議
我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言) (令和4年5月10日)
「双方向・協働型授業等を通じ、自ら課題を発見し、解決する能力やコミュニケーション能力等、グローバル化に対応することのできる人材を育成し、国際的に通用する大学入学資格を取得することのできる教育プログラムである国際バカロレアの普及・促進を図る。」
未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(第二次提言) (令和5年4月27日)
「国際バカロレアなどの国際的な教育プログラムが履修できる教育環境の整備を促進するとともに、高校段階におけるグローバル人材育成に資する拠点校の整備など国際的な中等教育機関の整備推進・運営支援を行う。」
「スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)について効果検証を行った上で、地域の自治体・企業等と連携したグローバル人材育成、重点分野におけるグローバル化の推進、外国で学位を取得した教員の採用促進、英語のみで卒業できるコースの充実、入学者選抜への国際バカロレアの活用、留学支援体制の充実など、更なる徹底した国際化やグローバル人材育成に大学が継続的に取り組むような環境整備を行う。」
(5)日本経済団体連合会
「次期教育振興基本計画」策定に向けた提言 (令和4年10月11日)
「国際バカロレア(IB)教育を実践するIB認定校では、グローバルな視野を持ち、課題発見・解決能力等を有する人材の育成に取り組んでいるものの、日本はIBに対する認知度が低く、実施校の増加ペースは緩やかである。
IB教育の推進に向け、大学はIBを活用した入試を拡大するとともに、産学官の連携のもと、IB教育の有効性を継続的に発信する必要がある。経済界は、採用や人材活用において、IB修了者を適切に評価することが求められる。」
過去の提言
Society 5.0に向けて求められる初等中等教育改革 第二次提言 (令和2年11月17日)
「今後の教育改革に関する基本的考え方」-第3期教育振興基本計画の策定に向けて-(平成28年4月19日)
「次代を担う人材育成に向けて求められる教育改革」(平成26年4月15日)
「世界を舞台に活躍できる人づくりのために」―グローバル人材の育成に向けたフォローアップ提言―(平成25年6月13日)
(6)国立大学協会
国立大学の将来ビジョンに関するアクションプラン 工程表(平成27年9月14日)
入試改革の一環として、「推薦入試、AO入試、国際バカロレア入試等の拡大(入学定員の30%を目標)」を行うとしています。